AGA治療を受けるデメリットはある?副作用の対処法や後悔しないためのポイントを紹介

こんにちは、千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックの辺土名です!
皆様はAGAの治療を行ったことはありますか?
AGAとはAndrogenetic Alopecia(男性型脱毛症)の略で男性が抱える悩みの代表格でもあり、現在、3人に1人が発症すると言われており、日本人男性30%にも及びます。
近年では治療の選択肢も広がり、手軽に治療を行うことが可能になりました。
しかし、治療を始める前にメリットだけでなく、デメリットもしっかりと把握することが何よりも重要です。
そこで今回は、AGA治療を受けるメリットとデメリットを段階ごとにまとめ、注意すべき副作用や治療に後悔しないためのポイントを詳しく紹介していきます。
治療をするか悩んでいる方が安心して、一歩踏み出せるよう願っています!
AGA治療を受けるデメリットとは?

副作用によるデメリット
AGA治療で用いられるものは基本的に内服薬です。
内服薬には、副作用のリスクが伴います。
当院でも処方しており、一般的な治療薬として使用されている、フィナステリドとデュタステリドの副作用を以下にまとめます。
- 性機能の低下
一部の患者で性欲低減や勃起不全(ED)が生じる場合があります。 - 肝機能障害
肝臓に負担がかかることがあり、定期的な血液検査を推奨します。 - アレルギー反応
まれに蕁麻疹(発疹)やかゆみ(掻痒感)などのアレルギー症状が現れることがあります。
これらの副作用には個人差があり、必ずしもすべての患者様に起こるわけではありません。
しかし、治療を開始する前には必ず医師に相談し、リスクを把握しておくことで、後悔のない治療が行えます。
治療費用によるデメリット
AGA治療は保険適用外の自由診療となるのが一般的なため、費用が高額になる場合があります。
費用はクリニックによって大きく異なるため、今回は平均的な内訳を以下にまとめます。
内容 | 費用相場 |
---|---|
初診料・診察料 | 5,000円~10,000円 |
薬代 | 月々10,000円~20,000円 |
治療機器やメソセラピー | 5万円~10万円/1回 |
治療を継続するためには、経済的な負担をしっかりと考慮する必要があります。
患者様のご予算に合わせた、無理のない治療計画を立てるようにしてくださいね。
初期脱毛によるデメリット
AGA治療の初期段階に起こりやすい、初期脱毛というものがあります。
初期脱毛とはAGA治療の初期段階で一時的に抜け毛が増える現象です。
治療薬として、一般的なフィナステリドやデュタステリドの服用開始直後に見られることが多く、治療を受ける多くの人が体験すると報告されています。
- 期間
基本的には、治療開始から1〜2カ月の間に抜け毛が増え、数週間から1カ月程度で落ち着きます。 - 抜け毛の量
個人差もありますが、多くの毛が抜けるように感じます。 - 影響を受ける部分
主にAGAが進行している部分で起きることが多いです。
初期脱毛が起きると、治療を始めたにもかかわらず、抜け毛が増えたという実感が生じ、治療に対する不安やストレスを感じる患者様は少なくありません。
この段階で治療を中断してしまう方もいますが、医学的に治療に起こる必然的なことなので準備段階と捉えてましょう。
心配な場合は、処方された医療機関にご相談し、心理的なストレスを少しでも減らしてください。
関連記事:薬を飲み忘れたらどうする?健康への影響や防止のアイデアを紹介
AGA治療を受けるメリットとは?

AGA治療は患者様のQOL(生活の質)を向上させる有効な手段です。
また、当院にて、AGA治療を行った患者様に感じていただいたメリットをご紹介します。
適切な治療を受けることができる
AGAの治療は、医学的に効果が証明された薬剤を使用することで、AGAの進行を抑えることができます。
AGA治療で使用される医療用薬剤と、ドラッグストアやインターネットで購入できる市販の育毛剤には主に以下の違いがあります。
医療用薬剤
AGA治療薬は、脱毛の原因となるホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑えることで脱毛の進行を根本的に抑制します。
デュタステリドはフィナステリドよりも強力で、男性ホルモンであるテストステロンをDHTに変換する、5αリダクターゼ酵素の働きを抑制します。
これにより、AGAの進行を止めたり、発毛を促進する効果が医学的に証明されています。
デュタステリドは優れている薬剤ですが、フィナステリドと比較すると勃起不全(ED)の副作用が出やすいでしょう。
なので、内服のメリットとデメリットを比較して選択する必要があります。
市販の育毛剤
市販の育毛剤は、主に頭皮の環境を整えることを目的としており、頭皮の血行促進や保湿、抗炎症作用の効果があるものが多いです。
市販の育毛剤は、DHTの生成抑制や毛周期の大きな変化をもたらす効果は期待できません。
そのため、AGAという、ホルモンの影響が原因の脱毛に対しては、根本的な解決にはなりません。
本当にAGAか診断してもらえる
薄毛や抜け毛が増えた=AGAというイメージが世の中の一般的な常識になっています。
実際に患者様にも質問をもらいましたが、脱毛症はAGAだけではありません。
薄毛の原因は、AGA以外にも円形脱毛症や甲状腺疾患、栄養不足など様々です。
原因は何なのか、どの脱毛症が発症しているのかを自力で判断するのは難しいため、正確な診断を受けられるようにクリニックを受診することをオススメします。
誤った自己判断を避け、正確な診断を受けることで適切な治療法を選択できます。
治療後のケアがある
当院では患者様の生活習慣や症状、どのように解決したいのかを具体的にお聞きし、患者様1人1人に合わせた治療計画を提案します。
また、経過観察やお薬の調整も行い、患者様が安心できるよう治療中・治療後にも適切にフォローアップいたします。
AGA治療の注意すべき副作用と対処法

先述した通り、AGA治療は、多くの患者様に効果が期待できる一方、治療薬による副作用が起こる可能性もあります。
副作用のリスクをしっかりと理解し、適切に対処することが重要です。
ここでは実際にあった性機能の低下を感じられた患者様の体験をもとに対処法をご紹介します。
40代男性の会社員Hさんは数年前から薄毛が気になっており、思い切って当院にご相談いただきました。
診察の結果、フィナステリドを1か月分処方し、治療を開始。
ところが、服用開始2か月後に、性欲が減退、以前よりも精液の量も少なくなったように感じたため、再びご相談いただきました。
- フィナステリドの副作用で、性機能に影響を与えているかもしれない
- 性機能の低下はまれであり、多くのケースでは体が薬に慣れると改善していく
- 症状が改善しない場合は、薬を減量するか、デュタステリドへの切り替えもできる
この3点を伝え、1カ月間様子を見てもらうよう提案し、治療を継続していくことになりました。
結果的にHさんは、3か月目に入るころに症状は改善していき、性欲も元に戻り、薄毛の進行が止まったのです。
「最初は不安だったけど、相談してよかった」と安堵していただけました。
このように、AGAの治療では、医師とコミュニケーションを取りながらご自身に合った方法を見つけていくことが大切です。
関連記事:たるみ毛穴におすすめ美容治療|たるみ毛穴の原因やセルフケアについても解説
AGA治療で後悔しないためのポイント

早期に治療開始する
AGAは進行性の疾患であるため、放置してしまうと症状は悪化していきます。
AGAが進行すると、毛根自体がダメージを受けてしまい、発毛そのものの機能を失う可能性があります。
初期段階で治療を開始すれば、毛根の機能が残っているため、発毛促進効果を得やすいです。
効果を最大限に発揮するために、早期の治療が必要不可欠です。
粘り強く治療を継続する
AGA治療は、短期間で劇的な効果が出るわけではありません。
効果が現れるまでには、通常2〜6か月間の長い期間がかかります。
治療を途中で中断してしまうと、治療を始める前の状態に戻ってしまうリスクがあり、効果が十分に得られません。
そのため、継続することが非常に重要です。
処方薬を決められた用法・用量で服用
AGA治療薬は、医師の指示通りに使用することが重要です。
薬は適切な量で効果を十分に発揮します。
自己判断での薬量の増減や、服用をやめてしまうのは禁物です。
多く飲んだからといって効果が倍増することはなく、むしろ副作用のリスクが増加してしまいます。
自分に合ったクリニックを選ぶ
クリニック選びは治療の効果と満足度を大きく左右します。
どのようなポイントで選べばよいかご紹介します。
費用が明確か
AGA治療は月々の治療費が発生し、年間で見ると高額になる可能性があります。
治療費用もクリニックによって様々です。
治療費用が明確で、追加費用が発生しないクリニックを見極めましょう。
無理なく通院できるか
AGA治療は、効果を実感するまでに2~6か月程かかります。
また、副作用などのリスクがあるため、気軽に相談しやすく、通院できるクリニックを選ぶことによって治療を継続させることができやすくなります。
アフターケアが充実しているか
定期的な診察やフォローアップがしっかりしており、アドバイスが分かりやすいかも重要です。
セルフケアも行う
AGA治療は医療用薬剤だけに頼るのではなく、セルフケアを併用することで、治療効果を最大限に発揮できます。
その中でも有効なセルフケアトップ3をご紹介します。
生活習慣の改善
十分な睡眠をとることで、毛髪の成長をサポートするホルモン分泌を促進させることができます。
また、バランスの取れた食事を心がけ、亜鉛やビタミンB群などの栄養素を積極的に摂取することで、発毛促進の効果が期待されます。
ストレス管理
精神的なストレスは血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こし、AGAを悪化させる原因にもなります。
少しでも薄毛に悩んでいる場合は早めに医療機関へ相談し、悩みを少しでも減らしてください。
頭皮ケア
低刺激のシャンプーを使用することで、頭皮へのダメージを防ぎ、頭皮を清潔に保ち、毛根への負担を軽減できます。
また、頭皮のマッサージを行うことで、血行を促進し、毛髪が成長できる環境を整えられます。
AGA治療のよくある質問

Q1.男性機能への影響はありますか?
A.使用する薬剤によって、男性機能への影響はあります。
AGA治療薬である、フィナステリドやデュタステリドはDHT(ジヒロテストステロン)という、性欲に直接的な影響を与える男性ホルモンの生成を抑制します。
その影響で、性欲の減少や勃起不全(ED)を引き起こしている可能性があります。
また、精液の量も同じく、DHTの生成を抑制することで、前立腺や精嚢(せいのう)の分泌物が減少するためと考えられます。
これらの作用が性機能に影響を与えることがありますが、発生頻度は非常に低いです。
Q2.治療効果はどのくらいで実感できますか?
A.AGA治療の効果が現れるまでには平均的に2~6か月間、長くて1年かかります。
当院で処方しているフィナステリドやデュタステリドは、服用開始から2~6か月で効果を実感する人が多いです。
3か月間で抜け毛が減り始め、6か月以降に発毛が実感できるケースが平均的です。
Q3.副作用が起こる確率はどのくらいですか?
A.AGA治療薬の副作用は比較的少なく、安全性が高いとされています。
ですが、まれに以下の副作用が報告されています。
副作用 | 発生率 |
---|---|
性機能の低下 (フィナステリド) | 約1~2% |
頭皮のかゆみや赤み (ミノキシジル) | 約5% |
また、ミノキシジル外用薬においては全体的に起こりうる副作用確率は8.82%とデータが出ています。
関連記事:ニキビ跡を改善するためのおすすめ治療|一般皮膚科との違いや費用相場についても解説
千葉内科在宅・美容皮膚科クリニックでできる対応

当院では、患者様のプライバシーに配慮したオンライン診療でAGAの診察を行っています。
ビデオ通話を利用することで、全国どこにお住まいの方でも、ご自宅で安心して診察を受けられます。
AGAについて気になることがあれば、ご自身のペースで受診をご検討ください。
経験豊富な医師が、プライバシーを守りながら丁寧に診察を行います。
また、費用も明確に記載しているため、患者様のご予算に合わせてご相談ください。
当クリニックの価格
処方内容 | 価格 |
---|---|
【AGA】ザガーロ(1か月分) デュタステリド錠0.5㎎ | 7,700円(税込) |
【AGA】プロペシア(1か月分) フィナステリド錠1mg | 11,000円(税込) |
まとめ
AGA治療は、脱毛を抑え、発毛を促すための医学的根拠に基づいた効果的な方法です。
しかし、治療には副作用や継続の難しさといった課題も伴います。
今回はAGA治療におけるデメリットや副作用、対処法、そして後悔しないためのポイントについて解説いたしました。
これを見たあなたもぜひこれを機に一歩を踏み出し、AGA改善に向けた治療をスタートしてみてはいかがでしょうか。
参考文献
男性型脱毛症 — 日本人における発症率と関連疾患 | SpringerLink
【薬剤師監修】ミノキシジルの副作用って?副作用が出る確率は?厚生労働省のデータで詳しく解説